こんにちは。歯科医師の鄭です。
この東区役所前エスト歯科が開業して半年が経ちました。おかげさまで地域の皆様に少しずつ認知されるようになってきたかな、という実感を感じております。
さて、小児の皆様のお口のお悩みについて聞くことが増えてきました。ここでいう小児、とは18歳未満と置き換えても大丈夫です。この小児の歯科疾患について何回かに分けて書きたいと思います。
小児は乳歯が生えるときから虫歯のリスクにさらされます。虫歯菌は口の中から自然発生するわけではなく、食べ物と一緒に外から感染します。感染ルートは一般的に親からの口移しが最も可能性が高いと考えられています。
口腔内を無菌にすることはできません。また、口腔内の面積は有限ですので、虫歯菌が住み着く前に、ほかの菌で埋めてしまえば理論上は虫歯菌が定着することはない。とされています。(この考えに基づくいわゆる「善玉菌で虫歯予防」と謳った商品も存在します)
以上のことからおおよそ口腔内の細菌叢が完成する3歳くらいまでは「ごはんの口移しはだめ」「キスしちゃだめ」という考え方があります。
これが正しい考えかどうかは議論があります。というより、おそらく正解はありません。
私個人的には、これらは親子愛の表現として自然に起こる行為ですから極端に制限するのはいかがなものかと思います。また、虫歯菌が定着したかどうかは誰にも確認のしようがありませんから、見えないゴールを目指すのもあまり健康的ではないと思います。また、口の中は虫歯菌のみならず歯周病菌もいますから、歯ブラシから解放されるということは残念ながらありません。
小児の正しい口腔内ケアについて是非私たちにお尋ねください。
今回は乳幼児の虫歯の成り立ちについて書きました。次回は虫歯の起こりやすい場所について書きたいと思います。