こんにちは。歯科医師の鄭です。
生後半年が経過すると、主に下の前歯が生えてきます。そして徐々に乳歯が生えそろい、3歳になる前にはおおよそすべての乳歯が生えそろいます。
乳歯の歯並びは基本的にはおおよそ綺麗に並びます。そのため、虫歯ができやすい場所もおおよそ共通しています。
具体的には上の前歯と、上下の奥歯の歯と歯の間です。
これらは虫歯の好発部位で、しかも左右対称に発生しやすい場所です。そのため、一つ虫歯があるならその反対側にもあるかもしれないな?と思って調べると虫歯であることが非常によくあります。
乳歯の虫歯は進行が早く、仮に神経の治療になってしまうと、もちろん単純に痛くて噛めないことに加え、後ろに控えている永久歯にも影響が出てきます。
非常によくある誤解に、どうせ永久歯が生えてくるから乳歯がダメになっても代わりがきく、というのがありますがこれは大きな間違いです。
乳歯の神経まで細菌感染がおこると、後続する永久歯は細菌感染から逃れようとするのか、まっすぐ生えてこなくなったり、顎骨の成長にも影響が出ます。さらに、乳歯が本来の生え代わりの時期よりも早く抜けてしまうと、乳歯が移動してきて歯並びが悪くなったり、最悪のケースでは永久歯が生えてこなくなったりします。
永久歯への完全な入れ替わりはおおよそ12歳くらい、中学校に上がるころに完了します。
この頃になると、もう保護者による歯ブラシ仕上げ磨きも手を離れ、自分で歯磨きをするようになるでしょう。
ここが非常に落とし穴です。永久歯は頭が生えれば終わりではなく、歯の根が顎の骨の中で完成するにはさらに数年かかります。そのため、この時期に不十分なセルフケアによって虫歯が進行すると、あっという間に神経まで細菌感染が起こります。
こうなってしまうと歯の寿命は一気に減ります。もう永久歯に代えはありません。残り80年は使ってほしい歯が早くも10台で抜歯になるケースをこれまでいくつも見てきました。
思春期のお子様に歯ブラシをするように保護者から正しく伝えるのも難しいかもしれません。かといって今さら仕上げ磨きをするのもさせるのも恥ずかしい・・・。
そんなときこそ私たち歯科にお任せください。健康な歯はその後の発育に大きな影響を及ぼします。