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歯科医師になるためには

こんにちは。歯科医師の鄭です。

 

昨日とおとといの1月29日および1月30日は令和3年度歯科医師国家試験の日でした。受験生の皆様まずはお疲れ様でした。皆様の合格を心よりお祈り申し上げます。

 

さて今回は、歯医者になるためにはどうすればよいのか、について書きたいと思います。なお、この内容は2022年1月31日現在のものです。

 

歯科医師になるためにはまず歯学部を有する大学に入学しなければなりません。日本には現在、国公立・私立あわせ29の歯学部があります。総合大学だったり、単科大学だったりと様々です。また、一部の総合大学では最初から歯学部に入学しなくとも、専門課程に上がる際に編入することも可能となっております。

 

いずれにせよまずは大学に入学するところから、となります。一般入試および推薦入試を経て見事合格することができれば歯学部に入学することが出来ます。(ごくまれに国際資格により入学するケースもあります)

 

入学後の教育カリキュラムは大学によって様々ですが、おおよそ最初の1~2年は全人教育による数学や物理学や生物学や外国語など一般的な科目の履修が求められます。

 

単位が必要数認定されれば無事進級となり専門課程に進むこととなります。専門課程ではまず最初に、解剖学や生理学など、一般医学を学ぶこととなります。また、実際のご検体を用いて解剖学実習も行います。実学を伴うことで徐々に医療人としての自覚を高めていくこととなります。

 

一般医学および歯学を修了したのちは、歯科臨床学が始まります。模型の歯を削る練習や、入れ歯を作る実習、矯正治療のワイヤーを曲げる練習、レントゲン写真を撮る練習等およびその理論を幅広く勉強します。

 

ここまででおおよそ入学から四年間かかります。これらを一通り修了したのちに待ち構えるのが、CBTおよびOSCEとなります。

CBT(Computer Based Testing)とは、これまで勉強した一般医学及び歯学の内容をコンピューター上で問う選択式試験です。

OSCE(Objective Structured Clinical Examination)とは、臨床技術が一定水準まで達しているかを見る実技総合試験です。

 

この二つに合格することで晴れて実際の臨床の現場に行くことが出来ます。最初は指導医の先生の見学から始まり、指導監督の元で徐々に実際に患者さんの口の中を触り始めます。また、実際の病態に基づいて治療計画も自分で立てていきます。

 

最終学年の六年生になると、これまでに勉強したすべてを統合した分野横断的な学習を行い、卒業試験に合格したら、いよいよ国家試験を迎えます。

 

歯科医師国家試験はすべて選択式で、ここ10年おおよそ合格率約65%で推移しています。国家試験に実技試験はありません。(昔はありました)

 

3月の合格発表を経て、4月から歯科医師・・・と言いたいところですが、ここからさらに卒後臨床研修を行います。1年間の研修医生活が始まります。卒後臨床研修を行わないと保険診療を行うことが出来ません。研修医といえども法律的には歯科医師ですから、医療人としての責務は果たさなければなりません。

 

研修医を修了すると、ようやく新米歯科医師として様々なところへ行くことが出来るようになるのです。行先は一般開業医に就職したり大学に残って研究したり、大学院に進学したりが多いでしょうか?まれなケースでは歯科医師業をやらないという方もいます。

 

さて、ここまでで現役で入学して一度も留年せずストレートで行けば25歳。実際は大学浪人や留年、大学再受験、国家試験浪人など様々な方がいますから平均するともう少し年齢は上がると思います。大学入学前はみんな素人でも、6年間の教育を経てそれぞれ個性や向き不向きが出てきます。皆さんがどんな歯科医師になるのかとても楽しみです。

 

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